【授業紹介】法政大学「詩歌」の授業 山﨑修平先生

サイト企画を担当しております、埼玉大学4年の佐谷戸明穂です。
7/9 に法政大学で開講されている「詩歌」の授業に参加してきました!
本記事では、法政大学での授業の様子をレポートします。

 授業内容は、前回の授業のコメントペーパーへの応答と、受講生全員での連詩の作成でした。
※連詩:複数の人が共同して一つの詩を作る詩作形式

 このように、黒板の前に集まり、学生一人一人が思い思いの一文を書き連ねており、全員が書き終わった後に、自分が書いた一文を読み上げました。前の文と関連付けた文を書くかどうかは、受講生次第だったので、思いもよらぬ展開があったりと、非常に面白い授業でした!

 このような大人数の授業ではシーンとしてしまいがちですが、皆で一つの作品を作るということで、教室の一体感が生まれ、学生達が楽しそうに参加していたのが印象的でした。

 山﨑先生が学生の自由を非常に尊重していることを、授業の随所から感じ取ることができました。例えば、作品提出に匿名を可としたり、学生が書いた詩を教室で読むかどうかを学生の判断に委ねたりしているそうです。最初は、匿名希望ばかりではないだろうかと危惧していたそうですが、実際に授業をしてみると、作品によって本名と匿名とを使い分けている学生も多いそうです。

 最終的に完成した連詩はこちらです!

 また、教鞭を執る山﨑修平先生からコメントもいただきました!

①〈法政大学〉「詩歌」の授業について

 この授業は、「自分の言葉で詩歌を書くことができる。」「日常から詩歌を探し出すことができる。」を到達目標としている日本文学科を対象とした専門科目です。詩とはなにか、という壮大な問いに対して、担当者の考えを押し付けるのではなく、受講生自ら「詩的なものとはなにか」とまずは問うことを促しています。音楽、映像、演劇、美術など近接ジャンルにおける詩の要素を見つけたり、あるいは短歌の歌会を催したり、シュルレアリスムからの流れによるリアクションペーパーの「捏造」をしたり、校外を自由に散策して詩の種を探しにゆくなど、広々とした詩歌の世界を楽しめるよう創意工夫をしています。

②先生の想い

 詩の課題や発表に際して、「朗読、弾き語り、コント、漫才、演劇、パフォーマンスアート、コンテンポラリーダンス、などなど広義の『詩』であれば、自由です。」とあらかじめ伝えたところ、さまざまな「詩」が生まれました。紫陽花の写真、アヴァンギャルドなイラスト、グループワークで散策した際のサーティーワンアイスクリームの写真、作詞作曲しミックスダウンを終えたばかりの音楽ファイル、アコースティックギターによる弾き語り、モダンバレエの動画。担当者の想像をはるかに超えた自由で刺激的な詩に接することにより、改めて言葉によって表される世界の豊かさを感じます。インカレポエトリにおいても、臆することなく素敵な作品を発表してほしいと願っています。

山﨑修平(やまざきしゅうへい)詩人、文芸評論家

主な近書に、第一詩集『ロックンロールは死んだらしいよ』、第二詩集『ダンスする食う寝る』(第31回歴程新鋭賞)、小説『テーゲベックのきれいな香り』がある。2022年には『現代詩手帖』「詩誌月評」、翌2023年には『週刊読書人』「文芸時評」を担当。法政大学兼任講師として「詩歌」の授業も担当している。

(文責::佐谷戸明穂/谷野七音 写真:佐谷戸明穂/山﨑修平先生)


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